何時間でもかけてやります(宮越 梓)

STUDENTS / ゼミ生日記

何時間でもかけてやります

 三回生の宮越です。ゼミでは、自分のニュース作品を、下調べの取材から撮影、編集まで全て一人でやります。
 私は今、近頃の学生は、「あいさつ」がうまくできなくなっているのではないかという問題を取材しています。30年前から自宅の隣で学生マンションを経営し、立命館大学生の変化を見続けきたご夫婦に話を聞きました。
 ご夫婦は「おはよう」だけでなく一言は声をかけて世間話をしたり、年に数回、食事会を開くなど学生と積極的に関わっています。一見「おせっかい」になりかねないのに、どのようにして学生と深く関わっているのかなど、約1時間のインタビューを撮りました。実際に作品に使うのは、多くてもわずか30秒程です。他の人に見せてアドバイスをもらうために、使えそうな所を抜き出して計5分程度の「候補」のVTRを編集しておく作業をしました。しかし、これは思ったより、はるかに時間のかかる作業でした。
 最初に、インタビューの内容を通して最後まで聞いてみました。「学生が変わってきたっていうのは、おじいちゃんおばあちゃんと一緒に住んでない子が増えてきたからやと思う」というコメントが引っかかりました。これは長年学生を観察してきた人ならではのコメントだと思い、「候補」に入れようと決めました。しかし、この9秒の言葉だけでいいのか、それとも、文脈を考えて前後のコメントも抜き出した方がいいのか。けれど、ちょうどいい所で止めないとコメントがどんどん長くなってしまいます。
 悩んだ挙句、1時間のVTRから5分抜き出すのに2時間も編集機の前に座っていました。先輩方もひとつの作品にこんなに時間をかけてやっていたのかと思うと、私も負けてはいられません。
授業が終わった後、目の前の教授に「お疲れ様でした。」とも言わずに帰る学生をよく見かけます。そういう人が就職活動でうまくやっていけるか心配になります。今後は就活する学生の状況を間近で見ている就職情報会社の方にも取材をします。

(写真:編集ソフトは本格的なEDIUSを使っています。)


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